lunatic studio live

猫飼いの気儘な絵描き。元ピアノ弾きで腱鞘炎持ち
猫飼いの気儘な絵描き。元ピアノ弾きで腱鞘炎持ち
映画も見に行きたいけど…

映画も見に行きたいけど…

『死の淵を見た男〜吉田昌郎と福島第一原発』
門田隆将著/角川文庫



前回のエントリーで触れた『煙と蜜 1』と一緒に注文した本。
以前密林で見つけて、読みたいなぁと思ってはいたんだが、注文しないまま放置になってた。
で、今回の映画化で密林のベストセラーに入るようになって思い出した。
この本(原作・原案)と、ノベライズ版とどちらにするか迷ったけど、まずはこっちかな、と。文庫になってたし。

うん、面白かった。
funny じゃなくて interesting の方。読みごたえあった。それなりのページ数だったが一気に読み切った。
これ読むと、これまで自分らがニュースとして知らされてた事実は、実際に起きた事のほんの極々一部でしかないんだってことがよく解る。現実は圧倒的で、人間は無力だったんだ。ホントのホントに危険で地獄で絶望的だったんだ。本当に崖っぷちのギリギリだったんだなぁって。

危機に際し、そこから脱するための努力に対して、海外みたいに、やたら「英雄だ!」「ヒーローだ!」「奇蹟だ!」「ミラクルだ!」と分かり易過ぎる言葉で持て囃すの、私、大嫌いなんだわ。実に安っぽい。嘘っぽい。軽々しい。そう見えるし、そう聞こえる。
そう言うのも嫌だし、そう言ってるのを見聞きするのも嫌。国民性や表現方法の違いだってのは承知してるつもりだけど、それでも嫌悪感の方が先に立つ。

だから、私的には、ただただ、感謝しかない。
尽力して下さった吉田所長と職員の皆さん方に。関係者の皆さん方に。その努力に。



この本読んで、東日本大震災後のこと思い出したよ。
目の前にかざした指先も見えない本当の真っ暗闇の中で過ごした輪番停電の晩のこととかね…
何となく、コロナで息苦しい今と、震災後のあの頃、社会の雰囲気が似てる気がするわ。
あの頃も、どこに行っても自粛自粛で、皆が皆ドンヨリ沈んでたなぁ…


原作読んで予習も出来たし、次は映画を観に行きたいんだがなぁ…
だが、今の社会状況考えれば自重しとくべきなんだろう。残念だ。
公開期間中にコロナがきっちり治まってくれれば一番いいのだけど…到底無理だろうなぁ…