lunatic studio live

猫飼いの気儘な絵描き。元ピアノ弾きで腱鞘炎持ち
猫飼いの気儘な絵描き。元ピアノ弾きで腱鞘炎持ち
先日のコウノドリ #10 おまけ4

先日のコウノドリ #10 おまけ4

●二人で出した結論、でも…

高山夫「最初に出生前診断を受けた時、俺達には関係ない事って思ってた。けど、子供を持つって
     決めた時から、本当は関係ある事だったんだよな」
高山夫「透子…二人で出した結論だから。お前だけが背負う問題じゃないからな…?」


ようやく、こういう風に考えることができるようになった高山さんの夫。

「お前だけで背負うな、二人で決めたことだ」

そう、夫から告げられて、透子さんは確かに救われた部分もあるだろうけど
それでもお母さんは自分を責めてしまうものなんだろうね。
それ程、お母さんと赤ちゃんとの距離は、お父さんとのそれより、ずっとずっと近い。
だって 自分の中にいるもう一つの命 だからね
この近しさは、絶対、お父さんには理解できない



●母の想い その2

透子「この子、あたしの赤ちゃんなの…あたしの…赤ちゃん…」
透子「………産みたい…!」
透子「でも――怖い…!……自信がない……でも――!」
母親「透子…アンタ、産みたいんだね…?」
透子「…っ!
(泣きながら頷く)」
母親「…(透子を抱きしめて)…大丈夫…アンタがへばっても…母さんが一緒に育てる…!」
 
廊下から処置室へ入るまでの数m。透子の表情は真っ暗で、顔は今にも泣き叫びそうに引きつって歪んでて、足元は覚束ないし、足が竦んで足取りはガクガク・フラフラ。口元を戦慄かせながらよろめくように数歩歩いて――、戸口の直前で透子はついに頽れる。
咄嗟に駆け寄るサクラと、抱き留める小松さん達。
背後から歩み寄った母が、娘の肩を抱いて告げる
「一緒に育てよう。大丈夫、私がいるから」

…もし夫がこう言ってくれたなら透子はどんなに嬉しかっただろう
でも、きっと、この言葉を言うのは男には無理だ
少なくとも、この場面、この時点では、まだ
透子を生み、育てたお母さんの、今も「お母さん」である彼女だからこそ、この場で透子にそう言ってあげられた
そして、「お母さん」からの言葉だからこそ、透子は受け入れる事が出来た
…「お母さん」は強いね
娘さんの為にも、お孫さんの為にも、どうかお母さん、長生きして下さい
娘さんが、あなたと同じ言葉を微笑いながら言えるようになる時まで

産むのであれ、産まぬのであれ
この子は私の娘
娘の苦しむ姿は見たくない
――きっとこれも、いや、これが、お母さんのホントの想い


最後の最後、ギリギリの崖っぷちで一転、産む決断をした透子さん。
この結果が良いか悪いか、私にゃ解らんけれど
番組を見てる一視聴者の私としては、どこか救われた気持ちになれたのは事実です。
二つの小さな命が続けて消されるとこなんて、たとえドラマの中であっても見たくなかった。
…それによってサクラがまた苦しむとこもね。



●「小松さん…僕は――冷静でしたか…?」(by鴻鳥サクラ)

思えば、この一言に、今話のサクラの苦悩が全部こもってた気がする

己は、産科医として、常にフラットな立場でいなくてはならない
異なる意見のいずれにも、どちらにも、寄ってはいけない
為すべきは、善悪・正誤の判断ではなく
目の前にいる患者の望みに沿う事
ただ、目の前の命に寄り添う事
だから
感じた怒りも苦しみも迷いも、心の内に全て抑え込んで、決して患者に見せてはならない
決して自分の感情に飲み込まれてはならない


意志の力で抑え込んだ筈の内面の葛藤や感情の渦が、知らぬ間に表面に溢れてしまったことはなかったか
無意識に無自覚に溢れてしまった己の想いが、患者の選択に影響を与えるようなことはなかったか――誰か・何かを傷つけてしまったことはなかったか

サクラにしても、自信はなかっただろう
自分の姿は自分の眼では見えないからね

人は「周囲の人に投影された自分」を見ることで、己の姿を計るしかない
そういう意味で、人にとって、その家族、友人、仲間…そういった「周囲の人々」は己の姿を計るための『鏡』 だ
そして、サクラにとって、小松や四宮は、何よりも誰よりも信頼できる、良き 『鏡』 であるのだろう







本当に息苦しくて重かったけど、見応えのある一時間でした
見てて重いし辛いし苦しいんだけど、それでも何度でもまた観返さずにはいられない
滅多にない経験です (※マゾじゃないぞ)

制作陣が、痛い部分、苦しい部分を敢えて隠さずにきっちり描いていたところに好感。
重くて苦しい中でも、最後には、救いらしきものを見せて話を〆たところにも好感。
そして特に、異論・反論はあって当然という、話の作り方であったところに、最も好感。

…最近の、お手軽にお気軽に作った、お茶らけで視聴者ウケ重視な見やすくて簡便な番組が良とされる風潮に、真っ向から対抗して、ひたすら真面目に真摯にリアルに、テーマに真正面から取り組んで作ってくれたであろうスタッフに、原作ファンとして、ただ感謝

シーズン1,2通して、話のシリアス度は今回が多分一番頂点だったんだろうという気がします
此処までで既にもうお腹いっぱいという感じですけど、次回の最終回、最後の一時間十五分を、大切に、大切に、本当に大切に、視聴したいと思います。


…っていうか!



もう既に予告を見て泣いてるよ…っ!
サクラ・四宮・小松のハグシーンで
既に涙腺崩壊しちまったよ…っ!

(以降、予告見る度にこのシーンで泣いてしまうので涙腺の完全修復はほぼ不可能)

四宮「やろうと思えば、できるんだ」
小松「よし!あたしも一歩、踏み出そう!」
サクラ「僕達の目指す場所は、同じだ」

………うううう…駄目だ、やっぱ泣いてまう…(涙)

終わっちゃうの、寂しいよ…