lunatic studio live

猫飼いの気儘な絵描き。元ピアノ弾きで腱鞘炎持ち
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最終回のコウノドリ #11 〜おまけ その3

最終回のコウノドリ #11 〜おまけ その3

■「一人じゃない」

武田の出産・手術を終えて、安堵の空気漂う産科スタッフ控室。
ここで四宮が切り出す。

四宮「ペルソナを辞めようと思う」
小松「えっ!?」
四宮「能登に帰る」
サクラ「…四宮は、そう言うと思ってたよ」

四宮「やろうと思えば、どこでもできるんだ」
サクラ「…そうだね」
四宮「飛び込んでみるしかないと思っていた。怖がってるばかりじゃなくて」
サクラ「…うん」
四宮「…俺も――、赤ちゃんが好きだからな」

サクラ「四宮は…一人じゃない」
四宮「……ああ」


離れていても、志を共にする者がたくさんいる。
同じ辛さを、苦しみを、喜びを、共有する者が、何処かに――此処に いる。
何処にいたって、君は一人じゃない。
目指す場所は 皆 同じ。



■その背を押すのが仲間の証

小松「次は、ペルソナの外から、鴻鳥先生や皆を支えたい……いいかな?」
サクラ「いいですよ」
小松「ええ? って、そんなあっさり?」
四宮「サクラ…?」
サクラ「離れてたって、僕達が目指す場所は同じだ」


四宮に続き、ペルソナを辞める決意を二人に告げる小松
彼女の夢は「お母さんのケアのための施設を作る」こと
独りペルソナに残される形となるサクラに「いいかな?」と問う小松。サクラは「いいですよ」と即答
常時人員不足のペルソナの現状を知りすぎるほどに知っている小松と四宮は驚く。
…でも、サクラの答えはもう、#8の時点で出てるんだよね。
「より良い未来を目指して飛び立つ仲間に対しては温かくその背を押してあげたい」って。



■夢を見るのは、人間の特権

サクラ「僕はいつでもペルソナにいて、皆を繋げていく。
    お母さん・赤ちゃんと社会を。そして、それぞれの場所で頑張る仲間たちを繋げていく。
    ――そういう医者に、僕はなりたい。
    それは…、赤ちゃんとお母さんの笑顔に繋がっていくと思うから――

    …(照れたように笑って)…また夢みたいなこと言ってるかな?」
四宮「うーん…そうだな……、でも、良いんじゃないか?
    …夢みたいなこという奴がいないと、先には進めないからな」



夢見ることって、楽しいばかりじゃないからね。
大変だよ。苦労もするよ。辛いこともあるよ、沢山。だって、高い理想を目指すってことだもの。
だから
夢見人は先導者 って、この台詞
きっと、四宮からサクラへのエールなんだよね
医学だけじゃなく何事も、最初に高処を志した人はみんな、「夢を見る人」だったんだから




■サクラが最後に手に入れたもの

サクラ「…家族…?
    …そっか…『ペルソナ』 が、僕の…『家族』 か――」

サクラ「家族だ…!」
四宮「…そうだな…」


泣いた…泣いたよ…
っつか、今でもリピート視聴する度にそのシーンで泣いちまうんだよ…(予告見ながらも何度も泣いたくせに)

父を亡くした四宮
自分の子供を産めない身体となった小松
そして、元々父母を知らず、身寄りのない、天涯孤独のサクラ

それぞれに傷や痛みを抱えてる3人
そんな彼らのハグシーンだもの…そりゃ、泣いちゃうよ…

それに。
サクラが家族を持たない孤独の身の上であることを知ってる四宮と小松
最後のハグは、旅立つ四宮と小松をサクラが抱きしめているようにも見え、一人残るサクラを小松と四宮の二人で抱きしめてあげてるようにも見え…

もう――もう、泣くしかないだろう!(号泣)

四宮と小松に抱きしめられて微笑んでるサクラの表情が、単に嬉しいだけじゃなくて、とても穏やかで安らいでて。微笑ってるけど、目が潤んでて。
あの表情見た瞬間に涙腺大決壊で、堪える間もなく一気に涙がドバッ…!
…ああ、サクラ、本当に嬉しかったんだなぁ、安心したんだなぁ、って。
そう思ったら…こちらまで貰い泣き。涙が止まらんかったわ…

養護施設育ちのサクラが、自分自身の力でようやく手に入れ た 『家族』
親兄弟のいない、父を知らず産みの母とも直接触れ合った記憶を持たない、血縁を身内を家族を持たないサクラが、ドラマの最後で手に入れた 大切なもの
『ペルソナ』 は、サクラの 『家族』 で、彼の 『居場所』
…誰かに寄り添う事ばかり考えて生きてるサクラにだって、ちゃんと寄り添ってくれるものがある

良かったなぁ、サクラ…ホントに…

きっと、景子ママもそう言ってくれるね


あのハグのシーン+サクラの笑顔 だけで、私的に充分諸々救われた気分でございました
最終回を観る私的意義は、あのハグとサクラの笑みにあったというか。あのシーンで99%くらい満たされた感じ。
この終わり方なら、このまま終わってもいいや、サクラは大丈夫、安心だ、と
そう思えたシーンでしたよ




■同期の二人の別れ その1 下屋と白川

白川「おう、下屋!見送り来てくれたのか!」
白川「あ、お前やっぱりさみしいんだろ?」
下屋「いや、寂しくないよ。だって別に一生会えないわけじゃないし」
白川「…俺はさみしいよ?」
下屋「…!」
白川「お前が傍にいたから俺、今までやって来れた。ありがとうな?」
下屋「白川! ありがとう!…頑張れよ!」
白川「…お前もな!」

ワシが医療もののドラマあまり好きじゃないのは、どれもこれも先生同士(あるいは先生とナース)をすぐに恋愛的にくっつけたがる話があまりにも多くて、そういう恋愛至上主義的ドラマ手法が見てて気持ち悪い、ってのが一番の理由なんだけど。 …医療シーンが大仰で派手派手しいだけであまりにも諸々のリアリティに欠く、ってのも大きな理由だけどさ!

最後まで恋愛関係皆無だった下屋と白川。結構ドライで、それでいて何処か熱くて、ちょっと幼い、青い関係。
良い描かれ方だったなぁって思う。ホントに、良い関係…っつか、『程よい』関係。色々な意味で。
自分にとって相手はあくまで仕事上の同期。どんなに親しくても、どんなに大切でも、同期。どちらにとっても、一番は恋愛じゃなくて仕事。
だから、旅立つ相手へ向けるのは、執着心じゃなく激励と感謝。

サクラと下屋の関係もそうだったね。男女だけど、あくまで仕事上の先輩後輩。恋愛関係皆無。
だから、仕事が出来る上司に対して部下が抱くのは、恋心じゃなくて敬意だし。
同様に、仕事を頑張る部下に対して上司が抱くのは、恋愛感情じゃなく師弟愛。

コウノドリって、ホント、「お仕事ドラマ」だね。そこに好感持てる。
他の医療ドラマみたいに、惚れたはれたがメインのストリー食ってたら、多分私、ここまで嵌らなかったな、コウノドリ




■同期の二人の別れ その2 サクラと四宮

四宮「もう、何年になるかな…?」
サクラ「大学の時からだから――」
四宮「…数えるのも嫌になるな」
サクラ「
…(軽く笑って)…そうだね」

サクラ「ちゃんと野菜食べなきゃだめだよ…?」
四宮「…お前に言われたくない」

サクラ「四宮、ペルソナは任せろ」


サクラの「ちゃんと野菜を食べなきゃ〜云々」聞いて 「お前もな!」と突っ込んだ人、たくさんいる筈(笑)
そういや、1期#6で船越センセが「偏食が…」って言ってたなぁ。確かに…(笑)

サクラと四宮、二人の別れのシーンはやはりいつもの屋上だったね。
大学入学時に出逢って以降ずっとなら、18歳から20年くらいか。長いね。
何も知らん何も解らん幼児の頃からの20年より、ある程度自我が確立されて人生の目標や目指すモノが定まった、大人になってからの20年の友誼の方が、ずっと濃密で広くて深い気もする。経験込の私見だけど

サクラの「ペルソナは任せろ」が良かったな
この先、間違いなく大変になるだろうにね。それでも、迷いなくキッパリと。
カッコいいな。

最後の握手も良かったな。
ベタベタせずに、さらりと。でもしっかり。涙も無し。真っ直ぐ視線を合わせて。無言で静かにかわす笑み。
無二の親友同士の、そんな別れ。

ジンワリ来る。



出産は奇跡だ
奇跡の後には現実が続いていく

苦しくて心折れそうになることもあるかもしれない
進む道に迷う事もあるかもしれない

けれど
僕は此処にいる
ここで、赤ちゃんと家族の人生に寄り添っていく

ようこそ、この世界に
生まれてきて おめでとう
そして
全ての命に ありがとう
    (by鴻鳥サクラ)







こうして
皆がそれぞれのゆくべき道へ歩み出して了。

皆の旅立ちを見送る立場となったサクラ。
多分彼はこれからも毎日いつもの様に、赤ちゃんとお母さんに真摯に真っ直ぐ向かい合い、寄り添っていくんだろうし
そういう日々の中でやっぱり、迷ったり苦しんだり哀しんだり怒ったり辛い思いしたりもするんだろう。
そういった重い部分は、周囲の仲間達とのかかわりの中で自分で考えながら消化していくんだろうし
それでも消化できない部分は、ブルース・アレイでピアノ弾きながら昇華させていくんだろう。

この先の長い人生、沢山の人と新しく出逢って別れて、
時々は懐かしい仲間たちと再会して、また別れて
色々な人と触れ合う中で、泣いたり笑ったり苦しんだり怒ったり喜んだりするんだろう。
それでも
お母さん達には全力で寄り添って、
生まれてくる赤ちゃん達には優しく微笑って「おめでとう」って言いながら、
サクラはどこまでも真っ直ぐに生きてくんだろうなぁ、と。

そんな風に思っております。
 


そういや、
前々回の感想で今橋センセはペルソナの「お父さん」。じゃ、ペルソナの「お母さん」は小松さんか?
なーんて書いてたけど
…どうも、ペルソナの「お母さん」は サクラ だったみたいだね、コレは (笑)

そのへんはともかく
他のドラマなら、多分描く前に企画段階で排除されてしまいそうな、重くて苦しくて、でも大切なテーマを、敢えて堂々と、真面目に真摯に真正面から真っ直ぐきっちり嘘なく誤魔化さずに描いてくれたことに、感謝。
そして、青臭い、甘っちょろい、現実離れした理想論として、嗤って切り捨てられそうな部分も、ちゃんと真っ当な素晴らしいモノなんだとしっかり示してくれたことにも感謝。
…こういうドラマ、増えてほしいね。

個人的に
終わり方としてはコレで充分だとも思うけど
叶うなら第3期、またはSP、これ以上ないのは劇場版
そういった新たなステージの中で、笑ったり泣いたり怒ったりしているサクラ達の新しいお話をまた見たい…な、と!

勝手に期待しつつ。

キャストの皆様、スタッフの皆様、ありがとうございました!
3か月間…否、2年前のシーズン1の時から3年余、
とてもとても楽しかったです!

では
『また いつか』



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